Beginner's Guide
はじめての羊文学 入門ガイド
羊文学は、塩塚モエカの歌と言葉を軸に、繊細さと力強さを併せ持つ音を鳴らすオルタナティブ・ロックバンドです。このガイドでは、代表的なタイアップ曲から入り、アルバムでバンドの変化をたどる聴き方を紹介します。
Introduction
はじめに
羊文学は東京出身のバンドで、現在は塩塚モエカ(ボーカル・ギター)と河西ゆりか(ベース)の2人組です。2017年に全国流通CD『トンネルを抜けたら』を出し、2020年にメジャーデビューしました。その後はアニメやドラマの主題歌を通じて、多くの人に曲が届くようになりました。 作品数が多いため、どこから聴くか迷うかもしれません。この記事では、まず知名度の高い曲から入り、次にアルバムで全体像をつかみ、気に入ったら初期のEPまでさかのぼる、という順序を提案します。なお、各曲の聴きどころは、公開されているレビューや資料で確認できた範囲に絞って書いています。細かな印象は、ぜひ実際に聴いて確かめてください。
01
まずは羊文学とはどんなバンドかを知る
羊文学は、2011年9月に塩塚モエカが中心となって結成したバンドです。作詞・作曲は塩塚が担当しています。音楽性は、繊細ながらも力強いサウンドを持つオルタナティブ・ロックと紹介されることが多く、静かな場面と激しい場面の両方を持つバンドとして受け止められています。 バンド名にも触れておくと、塩塚は「羊」の字が入っていると格好いいと感じたこと、大きな世界観を表すために「文学」を繋げたことなどを語っているとされます。名前のとおり、言葉を大切にする点が、このバンドを聴くうえでの入り口になります。 編成は、長くドラムを担当したフクダヒロアが2024年に活動を休止し、2025年末に脱退したことで、現在は2人組になっています。過去の作品には3人体制の音が収められているので、時期ごとの違いを意識して聴くのも楽しみ方の一つです。
聴くポイント
- — 塩塚モエカの歌と、飾らない言葉遣いに注目する
- — 静けさと力強さが同居するバンドの音像を味わう
こんな人におすすめ
- — オルタナティブ・ロックを日本語の歌で聴いてみたい人
- — 歌詞や言葉を大切にするバンドが好きな人
ネクストステップ
次のセクションで、タイアップ曲を中心に最初の一曲を選びましょう。
アルバム
D o n’ t L a u g h I t O f f
2025.10.08
作品を見る →配信・購入
02
最初の一曲は、タイアップで知られる曲から
最初の一曲としておすすめしやすいのは、広く知られた主題歌です。2022年1月に配信された「光るとき」は、アニメ『平家物語』のオープニングテーマとして、バンドが多くの人に届くきっかけになった曲として紹介されています。CMSでは「光るとき」のシングルとして登録されています。 2023年のEP『more than words』のタイトル曲は、アニメ『呪術廻戦』渋谷事変のエンディングテーマです。オリコン週間シングルランキングで初登場15位を記録し、ストリーミング累計も大きく伸びました。2025年の第1回MUSIC AWARDS JAPANでは、最優秀国内オルタナティブ楽曲賞などを受賞しています。 より新しい曲から入りたい場合は、アニメ『【推しの子】』第2期のエンディングだった「Burning」や、月9ドラマ『119エマージェンシーコール』の主題歌「声」が候補になります。「声」は2026年の第2回MUSIC AWARDS JAPANで、最優秀オルタナティブ楽曲賞とアーティスト賞を受賞しました。
聴くポイント
- — 映像作品とともに知られた曲を、まず単体で聴く
- — 同じバンドでも、曲ごとに雰囲気が違うことを確かめる
こんな人におすすめ
- — アニメやドラマの主題歌から入りたい人
- — 短い時間でバンドの印象をつかみたい人
ネクストステップ
気に入った曲が見つかったら、その曲が入ったアルバムやEPへ進みましょう。
03
最初のアルバムは『Don't Laugh It Off』または『our hope』
最新のバンドの姿を知るなら、2025年10月8日発売の『Don't Laugh It Off』が入り口になります。2年ぶりのアルバムで、通常盤は全13曲です。レビューでは、飾らない率直な言葉遣いと、力強く鳴りながら聴き手を包み込むように広がるサウンドが魅力として挙げられています。「そのとき」「春の嵐」は、揺れる心に寄り添い、希望の光をともす曲として紹介されています。「Burning」も収録されています。 CMSには、このアルバムの拡張版として、14曲の『Slightly Deluxe』と16曲の『Truly Deluxe』も登録されています。まずは13曲の通常版から聴くのが分かりやすいでしょう。 一方、過去作から評価の流れを知りたいなら『our hope』(2022年)です。CDショップ大賞2023で大賞〈青〉を受賞したアルバムで、オリコンのアルバムチャートでは最高5位だったと紹介されています。メジャーデビュー後の勢いを知る作品として聴けます。
聴くポイント
- — アルバム全体を通して、言葉の率直さと音の広がりを聴く
- — 『Don't Laugh It Off』と『our hope』を聴き比べ、約3年の変化を感じる
こんな人におすすめ
- — 今のバンドの音から聴きたい人
- — 受賞歴のある代表作から聴きたい人
ネクストステップ
さらに知りたくなったら、次のセクションの推薦理由を参考に作品を選びましょう。
アルバム
D o n’ t L a u g h I t O f f
2025.10.08
作品を見る →配信・購入
アルバム
D o n’ t L a u g h I t O f f (S l i g h t l y D e l u x e)
2025.10.24
作品を見る →配信・購入
アルバム
D o n’ t L a u g h I t O f f (T r u l y D e l u x e)
2025.12.05
作品を見る →配信・購入
アルバム
our hope
2022.04.20
作品を見る →配信・購入
04
なぜこの順序をすすめるのか
羊文学は、作品ごとに表情が変わるバンドです。たとえばEP『きらめき』は軽やかでポップな作品、半年後の『ざわめき』はストイックでソリッドなオルタナ・サウンドの作品として紹介されています。塩塚は『ざわめき』の制作時に、全曲をノイズで叫び続ける案を出したものの、他のメンバーに止められたという話も伝わっています。 このような幅があるため、いきなり初期作から聴くよりも、広く知られた曲で入り口を作り、そこから好みに応じて時代をさかのぼるほうが、迷いにくいと考えられます。これは編集上の提案であり、聴く順序に決まりはありません。 また、受賞やタイアップによって評価が広がったのは2020年代に入ってからです。そのため、まず近年の作品を聴き、その土台になった初期のEPやアルバムに触れる順序は、バンドの歩みを理解するうえでも自然です。
聴くポイント
- — 『きらめき』と『ざわめき』の質感の違いを聴き比べる
- — 近年の曲から初期作へさかのぼり、変化の線をたどる
こんな人におすすめ
- — 作品ごとの違いを楽しみたい人
- — 一度気に入ったバンドを深く追いたい人
ネクストステップ
次のセクションで、特に注目したいポイントを確認しましょう。
05
注目したいポイント
一つ目は言葉です。作詞を担当する塩塚モエカは、作詞にスマートフォンのメモアプリを使うことが多く、レポート用紙に手書きで仕上げることもあると伝えられています。飾らない率直な言葉遣いが魅力とされるのも、この書き方と無関係ではないかもしれません。 二つ目は、タイアップ曲と、バンド自身の作品性の関係です。主題歌が映像と結びついて知られている一方、アルバムでは別の表情も見られます。映像を知らない曲も、ぜひ通して聴いてみてください。 三つ目は、編成の変化です。2025年末にフクダヒロアが脱退し、2人組となりました。2026年の『Dogs』『Keep Walking』『涙の河』といった新しい作品は、その新しい形での歩みを示しています。
聴くポイント
- — 歌詞の言葉遣いに注意して聴く
- — 2人組になってからの作品を、過去作と並べて聴く
こんな人におすすめ
- — 歌詞を読みながら聴きたい人
- — バンドの現在の動きを追いたい人
ネクストステップ
次のセクションで、最新作とコラボ作品を確認しましょう。
06
次の作品への導線:最新のシングルへ
最新の動きとして、2026年10月12日に先行配信された「涙の河」があります。TVアニメ『風を継ぐもの』のエンディングテーマで、2026年11月13日から上映される劇場先行版『風を継ぐもの -はじまり-』の主題歌でもあります。塩塚モエカが作詞・作曲を手がけ、くるりの岸田繁が編曲しました。岸田は、羊文学の原案を再構築したと語り、エモーショナルで脆い曲と表現しています。 バンド側のコメントでは、岸田繁とのやり取りが刺激的で、アレンジがデモを超えていたことが語られています。また、アニメ作品のオープニング「風を継ぐもの」は、くるり+羊文学名義の曲として発表されています。 ほかに、2026年3月の「Dogs」はNetflixシリーズ『九条の大罪』の主題歌、2026年7月の「Keep Walking」も配信されています。さらにさかのぼるなら、2025年のシングル「Feel / mild days」はアニメ『サイレント・ウィッチ』のオープニングとエンディングとして紹介されています。
聴くポイント
- — 他アーティストとの共作で、羊文学の曲がどう変わるかに注目する
- — 2026年の3曲を新しい2人体制の記録として聴く
こんな人におすすめ
- — くるりが好きな人
- — 最新の羊文学を追いたい人
ネクストステップ
結論のセクションで、全体の魅力を振り返りましょう。
07
羊文学の魅力の結論
羊文学の魅力は、繊細さと力強さの共存にあります。作品ごとに軽やかさとソリッドさを行き来し、言葉は飾らず、音は聴き手を包むように広がる。そうした評価が、レビューや紹介記事から読み取れます。 そして、タイアップ曲で入口を作りやすい一方、アルバムを通すとまた別の側面も見えるバンドです。メンバー編成が変わっても、歌と言葉を軸にしたスタイルは続いています。まずは一曲聴き、気になったらアルバム、そして初期のEPへと、少しずつ聴く範囲を広げてみてください。
聴くポイント
- — 一曲から始めて、アルバム、初期EPへ広げる
- — 時期ごとの変化を意識して聴く
こんな人におすすめ
- — 長く付き合えるバンドを探している人
ネクストステップ
気に入った作品の公式ページや配信サービスで、ほかの作品もたどってみてください。
Choose Your Route
あなたの好みから選ぶ
アニメの主題歌から入りたい
映像作品と結びついて知られた曲から入る道筋です。

光るとき
アニメ『平家物語』のオープニングテーマで、バンドが広く知られるきっかけになったと紹介されている曲です。

more than words
表題曲がアニメ『呪術廻戦』渋谷事変のエンディングで、2025年のMUSIC AWARDS JAPANでも評価された作品です。

Burning
アニメ『【推しの子】』第2期のエンディング「Burning」を含むEPです。
最新のバンドの音を知りたい
近年の作品から入る道筋です。

D o n’ t L a u g h I t O f f
2年ぶりのアルバムで、率直な言葉遣いと包み込むような音像が魅力として挙げられています。

涙の河
くるりの岸田繁が編曲を手がけた最新シングルで、新しい試みを聴けます。
代表作のアルバムをじっくり聴きたい
評価の高いアルバムから聴く道筋です。

our hope
CDショップ大賞2023で大賞〈青〉を受賞したアルバムです。

12 hugs (like butterflies)
『our hope』に続く2023年のアルバムで、バンドの歩みを追うのに役立ちます。
初期の羊文学にさかのぼりたい
メジャーデビュー前後の作品に触れる道筋です。

若者たちへ
2018年の初のフルアルバムで、テーマは「若さ」や「青春」と紹介されています。

きらめき
軽やかでポップな作品として紹介されているEPです。

ざわめき
ストイックでソリッドなオルタナ・サウンドの作品として紹介されているEPです。
Career Flow
キャリアの流れ
羊文学の歩みを、初期、メジャーデビュー前後、飛躍期、現在の4つの時期に分けて紹介します。
結成から2018年まで
2011年9月に塩塚モエカが中心となって結成しました。2017年に河西ゆりかが加入し、全国流通CD『トンネルを抜けたら』を発売しました。2018年にはEP『オレンジチョコレートハウスまでの道のり』と、初のフルアルバム『若者たちへ』を発表しました。
トンネルを抜けたら
オレンジチョコレートハウスまでの道のり
若者たちへ
2019年から2021年
EP『きらめき』『ざわめき』を発表し、2020年8月に「砂漠のきみへ / Girls」でF.C.L.S.からメジャーデビューしました。同年のアルバム『POWERS』は第13回CDショップ大賞で入賞しています。2021年にはEP『you love』をリリースしました。
きらめき
ざわめき
砂漠のきみへ/Girls
POWERS
you love
2022年から2024年
2022年に「光るとき」とアルバム『our hope』を発表し、『our hope』はCDショップ大賞2023の大賞〈青〉を受賞しました。2023年にはアルバム『12 hugs (like butterflies)』とEP『more than words』を出し、台湾で初の海外単独公演を行いました。2024年にはEP『Burning』を発表し、フクダヒロアが活動を休止しました。
光るとき
our hope
12 hugs (like butterflies)
more than words
Burning
2025年から現在
2025年に「声」やアルバム『Don't Laugh It Off』を発表し、初のUSツアーやヨーロッパツアーも行いました。同年末にフクダヒロアが脱退し、2人組となりました。2026年には「Dogs」「Keep Walking」を配信し、くるりと共作した「涙の河」を10月に先行配信しています。
声
D o n’ t L a u g h I t O f f
Dogs
Keep Walking
涙の河
Conclusion
次の一曲へ
羊文学は、繊細さと力強さを併せ持つ音と、飾らない言葉で、多くの人に届いてきたバンドです。まずはタイアップで知られる曲から入り、アルバム『Don't Laugh It Off』や『our hope』で全体像をつかみ、気に入ったら初期のEPまでさかのぼる、という聴き方をおすすめします。2人組になった現在も、くるりとの共作など新しい挑戦を続けているので、これからの作品にも注目してみてください。
参考情報
- 羊文学 - Wikipedia — Wikipedia
- Hitsujibungaku - Wikipedia — Wikipedia
- 羊文学、2年ぶりのアルバム『Don't Laugh It Off』をレビュー — BAILA
- 羊文学 公式サイト — 羊文学 Official Website
- 羊文学+くるり、TVアニメ『風を継ぐもの』主題歌担当 エンディングテーマ「涙の河」先行配信も — Real Sound
- 羊文学 ニュース(「涙の河」先行配信) — Sony Music