Beginner's Guide

はじめてのCreepy Nuts 入門ガイド

日本語ラップの技巧派ラッパーR-指定と、世界一のDJ・DJ松永が組んだCreepy Nuts。MCバトルとDJバトルという異なる「一発勝負」の世界を生き抜いてきた2人が繰り出す楽曲は、タイアップの縛りすら味方につけながら、日本語ラップを世界の舞台へと押し上げている。

Creepy Nuts読了目安 4分

Introduction

はじめに

Creepy Nutsというと「Bling-Bang-Bang-Born」や「オトノケ」といったアニメ主題歌のヒットで知った人も多いだろう。しかし2人のキャリアはそこで終わらない。R-指定はMCバトルシーンで積み上げてきた圧倒的なリリック力を持ち、DJ松永は世界一のDJとしての技術とトラックメイク能力を武器にする。ヒットソングの裏側には、10年以上にわたるインディーズ活動と、タイアップという「お題」に真正面から向き合ってきた作家性がある。ここでは、初めて聴く人が迷わないための入り口を、聴く順番とともに紹介する。

01

最初の一曲はここから Bling-Bang-Bang-Born

Creepy Nutsを知るなら、まずは世界的なヒットとなった「Bling-Bang-Bang-Born」から聴いてみてほしい。テレビアニメ「マッシュル-MASHLE- 神覚者候補選抜試験編」のオープニングテーマとして書き下ろされ、劇中でマッシュが踊るダンスがTikTokで世界的なブームとなり、複数の国でチャートを席巻した楽曲だ。R-指定の畳みかけるようなラップと、DJ松永による中毒性の高いトラックが凝縮された3分間で、2人の魅力を最短距離で体感できる。

聴くポイント

  • — 畳みかけるようなライムと韻の連続
  • — 短いフレーズの反復で耳に残るフック
  • — アニメのダンスと連動したキャッチーな導入部

こんな人におすすめ

  • — まずは代表曲から聴いてみたい人
  • — アニメ主題歌から邦楽に興味を持った人

ネクストステップ

同じくアニメ主題歌としてヒットした「オトノケ」を聴くと、2人の作家性の幅広さがより見えてくる。

02

最初のアルバムなら『LEGION』

アルバム単位でじっくり聴くなら、2025年発表の4作目『LEGION』が入り口としてふさわしい。「Bling-Bang-Bang-Born」「オトノケ」「二度寝」「ビリケン」といった2024年のヒット曲に加え、映画「アンダーニンジャ」主題歌の「doppelgänger」、多彩な声色を操る「LEGION」など新録曲を収録し、世界的なヒットを経た2人が海外リスナーを見据えてサウンドを磨き上げた一枚になっている。ミックスやマスタリングには海外の第一線で活躍するエンジニアが起用されており、グローバル志向のサウンドメイクも聴きどころだ。

聴くポイント

  • — ヒット曲と新録曲がバランスよく並ぶ構成
  • — 海外エンジニアが手がけたサウンドメイク
  • — 声色やフロウを曲ごとに変える表現の幅

こんな人におすすめ

  • — まずアルバム1枚で全体像をつかみたい人
  • — 最近のCreepy Nutsのサウンドを知りたい人

ネクストステップ

アルバムを聴き終えたら、収録曲のもとになったタイアップ作品を掘り下げてみると、楽曲の背景がより立体的に見えてくる。

03

タイアップの物語性を味わう 二度寝とオトノケ

Creepy Nutsの楽曲は、アニメやドラマの内容と深くリンクしながら、独自の作品として成立させる構成力に定評がある。TBS系ドラマ「不適切にもほどがある!」の主題歌「二度寝」は、昭和と令和の価値観のギャップという劇中テーマを、浦島太郎のモチーフを借りながら自分たちの言葉で描き直した楽曲だ。一方、テレビアニメ「ダンダダン」のオープニングテーマ「オトノケ」は、ジャージークラブの疾走感あるビートに乗せて、作品の持つオカルトとユーモアが同居する空気感を表現している。同じ「タイアップへの回答」という制約から、まったく違うアプローチの楽曲が生まれている点に注目したい。

聴くポイント

  • — タイアップ作品のテーマをどう自分たちの言葉に翻訳しているか
  • — ジャージークラブなどダンスミュージックのビート使い
  • — R-指定のメロウなボーカルパートとラップの使い分け

こんな人におすすめ

  • — タイアップ作品と楽曲の関係性を楽しみたい人
  • — ドラマやアニメのファンで主題歌から興味を持った人

ネクストステップ

リリックの掘り下げに興味が出てきたら、MCバトル出身のR-指定の言葉選びが際立つ楽曲に進んでみよう。

04

MCバトル由来のリリックを味わうなら

R-指定は日本最高峰のMCバトルULTIMATE MC BATTLEで全国大会を史上初の3連覇した経歴を持つラッパーで、その言葉の運びの巧みさはCreepy Nutsの楽曲でも随所に表れている。2020年発表の「かつて天才だった俺たちへ」は、かつて神童と呼ばれた大人たちへ向けたメッセージソングで、この楽曲を含むミニアルバムのリリースを機に日本武道館公演を実現した、キャリアの転換点となった一曲だ。さらに2022年の3rdフルアルバム『アンサンブル・プレイ』では、フィクショナルなストーリーテリングの要素を取り入れることでリリックの表現の幅を広げており、映画主題歌「2way nice guy」やアニメ「よふかしのうた」OP主題歌「堕天」など、多様なタイアップ曲を収録している。

聴くポイント

  • — MCバトルで培われた韻の緻密さと言葉のリズム感
  • — フィクションを用いたストーリーテリング型のリリック
  • — 等身大の心境を綴ったメッセージ性の強さ

こんな人におすすめ

  • — リリックそのものをじっくり読み解きたい人
  • — 日本語ラップの技巧に興味がある人

ネクストステップ

キャリアの現在地を知りたくなったら、最新曲へ進んでみよう。

05

最新曲から今のCreepy Nutsを知る

2026年のCreepy Nutsは、国内外でさらに活動の幅を広げている。4月配信の「Fright」はTBS系ドラマ「時すでにおスシ!?」の主題歌で、再出発への葛藤を描いた楽曲であり、コーチェラ・フェスティバルで世界初披露された。8月配信の「Running Wheel」はHondaのN-BOX CUSTOMのCMのために書き下ろされたフォンク調の楽曲で、2人にとって新しいビートへの挑戦となっている。この2曲を聴くと、ヒット曲を出した後も新しい音楽的挑戦を続ける2人の「今」が見えてくる。

聴くポイント

  • — フォンクなど新しいジャンルへの挑戦
  • — 年齢を重ねたからこそ描ける葛藤や再出発というテーマ
  • — コーチェラなど海外の大舞台での披露歴

こんな人におすすめ

  • — 最新の活動から聴き始めたい人
  • — 2人の音楽的な変化を追いたい人

ネクストステップ

ここまで聴いたら、好みに合わせて過去の楽曲を掘り下げてみてほしい。

Choose Your Route

あなたの好みから選ぶ

アニメ主題歌から好きになった

アニメファンなら、まずはCreepy Nutsが手がけたオープニングテーマから聴き進めるのがおすすめだ。

Bling-Bang-Bang-Born

アニメ「マッシュル-MASHLE-」OPとして世界的ヒットとなった代表曲

オトノケ - Otonoke

アニメ「ダンダダン」OPとしてジャージークラブの疾走感を楽しめる一曲

リリックやラップの技巧を重視したい

MCバトル出身のR-指定による言葉選びをじっくり味わいたい人向けのルート。

かつて天才だった俺たちへ

MCバトル仕込みの言葉の運びが光るメッセージソングを収録

アンサンブル・プレイ

フィクショナルなストーリーテリングでリリックの幅を広げた3rdアルバム

大人になってからの葛藤や心情の機微が好き

年齢を重ねた2人だからこそ描ける等身大の心情に注目したい人向け。

二度寝

昭和と令和の価値観のギャップを浦島太郎のモチーフで描いた一曲

Fright

再出発への恐怖と向き合う心情を描いた最新曲

海外志向のグローバルなサウンドが好き

海外のビートトレンドを取り入れたサウンド重視で聴きたい人向け。

LEGION

海外エンジニアを起用しグローバル志向のサウンドに仕上げたアルバム

Running Wheel

フォンクの要素を取り入れた最新シングル

Career Flow

キャリアの流れ

Creepy Nutsは、インディーズ時代からメジャーデビュー、国内での評価確立、そして世界的なヒットを経た海外展開まで、段階を追って活動の舞台を広げてきたユニットだ。

  1. 結成〜インディーズ期(2013年頃〜2017年)

    R-指定とDJ松永が出会いユニットを結成し、インディーズシーンで楽曲をリリースした時期。2018年発表のベストアルバム『INDIES COMPLETE』にこの時期の楽曲がまとめられている。

    INDIES COMPLETE
    クリープ・ショー
    阿婆擦れ
  2. メジャーデビュー期(2017年〜2019年)

    2017年にソニー・ミュージックよりメジャーデビュー。ドラマ主題歌「オトナ」やミニアルバム『よふかしのうた』などを発表し、着実にファン層を広げた時期。

    高校デビュー、大学デビュー、全部失敗したけどメジャーデビュー。
    助演男優賞
    よふかしのうた
    よふかしのうた - Yofukashino Uta
    オトナ
  3. 武道館・国内ブレイク期(2020年〜2022年)

    『かつて天才だった俺たちへ』で日本武道館公演を実現し、国内での評価を確立。『アンサンブル・プレイ』などフィクショナルなストーリーテリングを取り入れたアルバムを発表した時期。

    かつて天才だった俺たちへ
    Case
    バレる!
    アンサンブル・プレイ
    doppelgänger
    ビリケン - Biriken
  4. 世界的ヒット期(2024年〜2025年)

    「Bling-Bang-Bang-Born」と「オトノケ」が世界的にヒットし、アルバム『LEGION』を発表。2025年には自身初の東京ドーム公演とアジアツアーを行った時期。

    Bling-Bang-Bang-Born
    二度寝
    二度寝 / Bling-Bang-Bang-Born
    オトノケ - Otonoke
    LEGION
    LEGION Instrumentals
  5. 海外展開期(2026年〜)

    コーチェラ・フェスティバルへの出演と初の北米ツアーを経て、The Weekndのアジア・スタジアムツアーにゲスト出演するなど、活動の舞台を海外へ広げている時期。

    Fright
    Running Wheel

Conclusion

次の一曲へ

MCバトルとDJバトルという、それぞれ異なる「一発勝負」の世界を生き抜いてきた2人が組んだCreepy Nutsは、タイアップという制約すら創作の起点に変え、日本語ラップを世界の舞台へと押し上げてきた。まずはヒット曲から入り、アルバムでその幅を確かめ、リリックの技巧やタイアップの物語性、そして最新曲へと聴き進めることで、単なる「アニソンヒットメーカー」にとどまらない2人の音楽性の奥行きが見えてくるはずだ。

参考情報

  1. プロフィール | Creepy Nuts | ソニーミュージックオフィシャルサイト — ソニー・ミュージックレーベルズ
  2. Creepy Nuts - Wikipedia — Wikipedia
  3. Creepy Nuts — Wikipedia
  4. Creepy Nuts“Bling-Bang-Bang-Born”の世界的ヒットは必然だった? 楽曲を紐解いてわかった、DJ松永とR-指定による音楽的な企み — Mikiki by TOWER RECORDS (2024-02-02)
  5. Bling-Bang-Bang-Born - Wikipedia — Wikipedia
  6. Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」と「マッシュル」のコラボMV公開(動画あり) - 音楽ナタリー — 音楽ナタリー (2024-03-03)
  7. 【急上昇ワード】Creepy Nuts、新曲はTVアニメ〈ダンダダン〉OPテーマ「オトノケ - Otonoke」 — OTOTOY
  8. Creepy Nuts、タイアップ作品への強靭なアンサー 『不適切にもほどがある!』で「二度寝」が果たした役割 — Real Sound (2024-05-01)
  9. Creepy Nuts、阿部サダヲ×宮藤官九郎の新ドラマ主題歌を書き下ろし — Billboard JAPAN
  10. かつて天才だった俺たちへ - Wikipedia — Wikipedia
  11. Creepy Nuts、書き下ろし新曲“Running Wheel”&“のびしろ”がHonda「N-BOX」新CMに起用。“Running Wheel”8月19日配信リリース決定 — TOWER RECORDS ONLINE (2026-07-17)
  12. Creepy Nuts、アンダーグラウンドな「Running Wheel」MVはアナログビデオ風 — Billboard JAPAN
  13. Japanese Hip-Hop Duo Creepy Nuts Turn Up the Tempo With New Single & MV Running Wheel A Phonk-Infused Track — Anime News Network (2026-08-21)
  14. Creepy Nuts、ドラマ『時すでにおスシ!?』主題歌「Fright」MV公開 — Billboard JAPAN
  15. Creepy Nuts、ドラマ『時すでにおスシ!?』主題歌「Fright」配信開始 〈コーチェラ〉出演も目前に — CDJournal (2026-04-10)
  16. LEGION - Creepy Nutsのアルバム — Apple Music
  17. LEGION (Creepy Nutsのアルバム) - Wikipedia — Wikipedia
  18. アンサンブル・プレイ - Release - Creepy Nuts — Creepy Nuts Official Site
  19. Creepy Nuts初北米ツアー完遂!『コーチェラ』では新曲「Fright」を世界初披露 — THE FIRST TIMES (2026-04-21)
  20. Creepy Nuts初の映画作品、11月20日に全国公開 北米公演に密着したドキュメンタリー&NYワンマン映像で構成 — KAI-YOU